【IPOとは】意味やメリット・注意点を解説。株初心者さん必見!
自社の株を証券取引所に新たに売り出すことをIPO(アイピーオー)と呼び、株式投資家の中では一種のお祭りのようなイベントで盛り上がります。投資家からすると新しい投資先が増えるということなので、IPOは昔からいつも注目を浴びています。
IPOの人気が高い理由として、第一にかなり高確率で利益を出せるということがあります。
2024年のIPO銘柄の多くは、初値が公募価格を上回る結果となっており、特に2024年初頭の日経平均株価が史上最高値を更新した影響で、投資家の需要が高まったことが影響しています。
例えば、「光フードサービス」は公募価格2,660円に対し初値5,850円となり、初値上昇率が119.9%に達しました。また、「ジンジブ」は公募価格1,750円から初値3,980円で、127.4%の上昇率を記録しています。
とにかくIPO株は売買に専門的知識を必要とせず、勝率がかなり高いので株初心者でも簡単に利益を出すことができます。
今回はそんなお宝株、IPOについて詳しく説明していきましょう。
IPOとは?株式投資のお祭りイベント!
IPOとは、Initial Public Offering の略で、日本語に訳すと「株式市場での最初の公開売り出し」という意味です。IPOを行う企業の目的は、投資家から新たな資金の調達を行うことです。
この資金をもとに企業は設備投資や従業員の増員を行い、さらに事業規模を大きくすることができます。
IPOで売り出された株は、かなり高い確率で利益を出せるという理由から、とても人気がある株のため通常は抽選で購入者が決められます。
この点が、他の一般的な株と大きく違うポイントでしょう。他にも、IPOにはこんなメリットがあります。
- 抽選で当選すれば、かなりの高確率で利益を出すことができる
- 抽選で落選しても資金は減らないので、何度でも挑戦できる
- 企業の分析も簡単に済ませることができるので、株初心者にも安心
- 上場日に成行注文するだけなので、チャートに関する知識も不要
どうですか。ぜひともIPOに挑戦してみたくなったのではないでしょうか。
では、なぜ通常とは違い、高い確率で利益を出せるのか?それは上場する際の公募価格が比較的低く設定してあるため、初値が公募価格を上回ることが多いからです。
公募価格とは、上場前の株の売り出し価格のことをいい、また上場初日に市場で初めてついた株価のことを初値と呼びます。
この公募価格を決めるにはルールがあるので、次にその方法について説明しましょう。
証券会社と企業の協議で公募価格が決まる
新規公開株(IPO株)は市場に上場する際、まず一時的な株価として公募価格(公開価格)が設定されます。
すでに上場している企業の公募価格なら、その時点での市場の株価を参考に決められますが、IPOのように新規で上場する際は、その企業の実力や将来性などを参考に決められます。
その価格の決め方については、次のようなプロセスがあります。
- 1、証券会社が参考価格を決定する
- 証券会社が、IPOを行う企業と同業種の株価、資産、業績予想などを考慮し、参考価格を決めます。
- 2、機関投資家がヒアリングを行う
- IPOを行う企業の代表が金融機関などの機関投資家を個別に訪問し、企業の現状や将来性についてヒアリングが行われます。
- 3、仮条件を決定する
- 機関投資家のヒアリング結果をもとに、証券会社が企業との協議を行い、公募価格の仮条件を決定します。その場合の仮条件は、2000円~2500円のようにある程度の幅を持たせています。
- 4、ブックビルディングを行う
- 機関投資家や個人投資家を対象に、仮条件の範囲内でどれだけ買いたいかというニーズを調査します。
- 5、公募価格を決定する
- その調査結果を集計し、その時点での市場の状況も考慮に入れて、証券会社と企業の協議の結果、公募価格が決定されます。
IPOを行う企業側からすると、公募価格を高く設定すると株が売れなくなる心配や、上場初日を華々しく飾りたいという思惑から、公募価格は比較的安く設定するよう協議しています。
そのため、上場初日には買いが殺到し、初値は公募価格を上回り、利益を出しやすくなるというわけです。
そんなに勝ちやすいなら誰だってIPOやれば儲かるじゃん!という声が聞こえてきそうですが、IPO株は人気が高いため、手に入れるためには抽選に申し込み、そこで当選しなければいけないのです。
IPO抽選に当選するためのテクニック
IPOを申し込むには、まずIPOを取り扱っている証券会社に口座を開いておく必要があります。
もし当選しても「買わない」という選択肢も選べるので、まずは気軽に抽選に参加してみてください。
正直に言ってしまうと、この抽選はなかなか当たりません。1年間毎回抽選に参加していても、1回か2回しか当たらないことも珍しくないんですよ。
応募する際にブックビルディングを行います。ブックビルディングとは、IPO株をいくらで何株買うか証券会社へ自分の意思を伝えることを言います。
このとき、先ほども説明したとおり証券会社が2000円~2500円というように仮条件が設定されています。
いくらで買うか金額を入力する際は、上限の値(この場合2500円)を入力してください。
公募価格はこのブックビルディングをもとに決定されますが、もし公募価格より自分が入力した金額が低かったらまず当選はできません。また、抽選日の時点で自分が入力した株数を購入できるだけの買付余力が口座内に残っている必要もあります。
買付余力が足りない場合も当選はできないので、資金は十分用意しておきましょう。
目安として50万円もあれば、大抵のIPO銘柄を購入することができます。
抽選に当たっても、買わないという選択もできる
運良く当選できたら、証券会社に購入意思を伝えます。もちろんこの時点で、購入しないことも選択できるので期日までに利益が出る銘柄かどうか必ず確認してください。
IPOは勝ちやすいと言われていても、中には公募割れして損をしてしまう銘柄もあります。
IPOを購入する前に、マーケットの状況や対象企業の状況を再度見極めて、購入するかどうか決めてくださいね。
ただし、手元の資金が足りない場合はお金借りる方法を検討することも重要です。消費者金融や銀行カードローンなどで資金を一時的に調達し、投資のチャンスを逃さないようにしましょう。
投資のためにお金を借りる際には総量規制にも注意が必要です。総量規制により、年収の3分の1を超える借り入れは制限されているため、無理のない資金計画を立ててから借り入れを行うようにしましょう。
IPOを申し込めるおすすめ証券会社一覧
次の証券会社はネットで簡単にIPOの申し込みができるので、おすすめの証券会社。
気に入ったIPO銘柄にタイミングよく応募していくためにも、あらかじめ証券口座を作っておくことがおすすめです。
SBI証券
SBI証券はIPOの取扱実績が多い証券会社です。IPOを狙っている人は必ず証券口座を開いておきましょう。
SBI証券にはライバルも多いですが、当選しなくても大丈夫です。抽選に外れた回数に応じてIPOチャレンジポイントがたまり、次のIPO申込時にポイントを使えば当選しやすくなるという独自のサービスを行っています。
マネックス証券
マネックス証券もIPOの取り扱い実績が高いおすすめの証券会社です。
申込数に関係なく、申込者1名につき1抽選権が付与されることから公平な抽選が行われるため、だれにでも平等に当選するチャンスがあります。
マネックス証券ではIPOの購入時に手数料もかからず大変オトクです。持っていて損はない証券口座ですね。
SMBC日興証券
店舗もあり大手総合証券会社の一つであるSMBC日興証券はIPOの主幹事を務めることも多く、IPOを狙っている投資家には絶対に外せない証券会社です。
IPO株は主幹事が最も多く振り分けられることは言うまでもありません。
SMBC日興証券の口座を持っていない人はこの機会に開設しておくことをおすすめします。
IPOだけでなく、もし資金調達が必要な場合には消費者金融のカードローンを活用してみるのも一つの方法です。必要なタイミングで融資を受けられるため、投資機会を逃さないメリットがあります。消費者金融おすすめランキング2024年9月最新版の記事で確認してみてください。
公募割れしないIPOを選ぶ3つの方法
せっかくIPOが当選しても損しては意味がないので、ここで公募割れしない銘柄を選ぶ3つの方法を紹介しましょう。
1、業績が赤字の銘柄は避ける
IPOに当選後、購入するかしないかの意思表示の時点で、証券会社から目論見書の内容を確認するよう要求されます。その目論見書にて会社の業績が確認できるので、直近の業績が赤字の場合は、投資家から人気がないため購入は控えたほうがよいでしょう。
2、新規公開株数が多い銘柄は避ける
企業によって、売り出す株数は違います。2015年7月に上場した次の3銘柄を例に説明しましょう。
銘柄名 | コード | 公募価格 | 初値 | 騰落率 | 公開株数 |
---|---|---|---|---|---|
デクセリアルズ | 4980 | 1,600 | 1,550 | -3.12 | 54,049,000 |
アイリッジ | 3917 | 1,200 | 6,350 | +429.17 | 379,500 |
平山 | 7781 | 2,130 | 2,758 | +29.48 | 483,000 |
3銘柄ともほぼ同時期、同じような公募価格ですが、デクセリアルズだけが公募割れしています。各企業の業績が違うのは当然ですが、その他にこの表から大きな違いを発見することができます。
それは、公開株数です。アイリッジと平山に比べ、デクセリアルズだけ新規公開株数が極端に多いのがわかります。
IPOに当選した株主は、利益を得るため上場初日に売り注文を出します。
つまり公開株数が多ければ多いほど、売り注文が多くなるため、株価が下がって公募割れを起こす原因になります。
新規公開株数についても目論見書の「新規発行株式」として株数が確認できますので、他の銘柄と比べ、明らかに多いと思う場合は購入を控えたほうが良いでしょう。
3、公募価格が仮条件の上限ではない銘柄は避ける
IPOの公募価格を決める前に仮条件が設定されているのは、前に説明しました。この仮条件を覚えておき、公募価格と比べて上限じゃない場合は購入を控えたほうがよいです。
2014年の例を見てみましょう。
公募価格と仮条件の関係 | 銘柄数 |
---|---|
公募価格が仮条件の上限だったIPO | 72社 |
公募価格が仮条件の中値だったIPO | 1社 |
公募価格が仮条件の下限だったIPO | 4社 |
2014年は公募価格が仮条件の下限だった銘柄が4社ありました。実はこの4社のうち、2社が公募割れで残り2社が公募価格と同額だったんです。
つまり、この4社とも初値では利益を出せなかった結果になります。
人気がないIPOはブックビルディングでも値が上がらないので、公募価格も仮条件の上限まで上がらないんですね。
またここで紹介した3つの方法は、自分で目論見書を参考にしたりと判断に迷いも出てくるかもしれません。そんなときは、先輩投資家の意見を参考にするのも1つの方法です。
株式投資家のブログには、IPOの初値予想を行っている人も多くいます。「IPO 初値予想」と検索してみて、自分が当選したIPO銘柄の公募価格より初値が高いという予想が多ければその銘柄は買いと判断してみても良いでしょう。
IPO銘柄は初値で売るだけでも利益が出るお宝株
購入前の銘柄チェックが済み、公募割れしないだろうと判断できた場合は、IPOを購入して上場の日に売り注文を出しましょう。その際は初値で売るため、期日を当日中にして成行で売り注文を出します。
IPOはそれだけでも利益が出せる確率は十分高いので、売買のテクニックをよく知らない株初心者でも安心して取り引きができますね。
抽選で落選しても資金は減らないので、何度でも挑戦できるのも嬉しいポイントです。
このように低いリスクで簡単に利益を出せるIPOに是非チェレンジしてみてください。